~数寄屋造りについて~


やよいは昭和57年に創業、現本社工場の地で住宅を一部改装し、店舗として営業していました。
平成6年に現在本店のある場所へ移転し、本店ができました。
そしておかげさまで現在の本店を構えさせていただいてから昨年の秋で20周年を迎えました。

やよい本店の建物は数寄屋造りでつくられています。数寄屋造りとは日本建築様式の一つであり、茶室の趣きを取り入れたもので、虚飾を嫌い内面を磨いてお客さまをもてなすという、質素ながらも洗練された造りとなっています。

数寄屋造りの特徴として、多彩な建材を用いることが挙げられますが、やよい本店でも杉・松・栗・欅などたくさんの木が使われており、どれもこだわり抜いた木材です。
天井や商品台、廊下につながる引戸は見ていただくとわかるように、とても大きな一枚板でできています。知る人ぞ知る貴重な一枚です。

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本店にお越しの際はぜひご覧いただければと思います。
その本店をつくっていただいたのは数寄屋建築の巨匠中村外二さんです。
やよいの創業者、現会長と女将は「人通りのある場所に店を出したい」という想いが強く、たまたま現本店の場所が空いたので土地を購入し、当時は今のようにインターネットなどはなく、電話帳で工務店を探し、辿り着いたのが「中村外二工務店」でした。
直接電話をし、出られたのが中村外二さんご本人でこちらの意向を伝えると当時の店へ来てくださいました。

予算に資金が見合わず、お断りさせていただきたいと伝えましたが「佃煮屋を手掛けるのは初めてやし、やると決めた」と外二さんはおっしゃり、設計から施工まですべて外二さん自身の思いを形にしていただいたのがやよい本店の姿です。
今でも女将が「このお店は今もお貸ししてもらっている。お預かりしているという気持ちでいる。大切にしたい」と私たち従業員に思いを話してくれます。

木は乾拭きで何十年と美しさを保ちます。月日と共に劣化するものではなく、だんだん良くなっていくものを手元においておくことは重要であり、手入れを怠らなければその表情をさらに良いものにしていくことができる。
会長、女将、先輩方から貴重なお話を伺い、本店ができて20年が経った今、たくさんの方の思いがあり、大切にされてきたこの本店を改めて次の世代にも引き継いでいきたいという思いでいっぱいです。
一にも二にも掃除、そうやって培われてきた清潔感が建物に味わいを増します。
お客さまはもちろん中村外二さんとの出会いや、現親方、その子息さん三代に渡った支えがあったからこそ今のやよいがあるのだと思います。


感謝の気持ちを忘れず、本店をこれからも大切にし、たくさんのお客様をお迎えしていきたいです。
是非本店にも足を運んでいただき、京都ならではの空間でゆっくり過ごしていただければと思います。
みなさまのご来店、スタッフ一同お待ちしております。

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