~建具かえ 障子からよしず~


6月からジメジメとした梅雨に入り、梅雨明けには厳しい京都の猛暑が待っています。
この時期世間では衣服の衣替えがおこなわれますが、京都では住まいの衣替え(建具替え)がおこなわれます。今回はそんな京の夏の風物詩についてお話したいと思います。

やよい本店でも梅雨の晴れ間に窓の障子を葦簀(よしず)に替え、徐々に夏の設えにしておこなっております。葦簀(よしず)とは和の建具で涼風を誘い入れ開放的な空間を作り出すことができる竹や葦で作った障子のことです。通称『夏障子』とも言われております。三方を山で囲まれている盆地の京都には建物の風通しを良くするために必要不可欠な建具となります。


また、葦簀は風を運んでくれるだけでなく夏のひかりを涼しげに遮ってくれるので昼間でも木陰にいるかのように気持ちが良くなります。
空調が普及している今は夏の佇まいを整えることは少なくなりましたが、やよい本店ではこうした京都の伝統を長く受け継いでいきたいと思います。

DSC01567

葦簀に模様替えした同じ頃、本店の入り口付近には華やかな紅白の団扇が飾られます。
京の花街では舞妓さんや芸妓さんが夏のご挨拶に団扇を配る風習があります。
この団扇は京丸うちわ 通称『舞妓うちわ』と呼ばれ、やや縦長の棗の実の形をしており、少しの力で風を送りやすいように職人の手で一つ一つ丁寧に作られています。


団扇の表には紋(家紋、置屋の紋)裏には芸舞妓の名前が書かれています。名前の横にも文字が書かれておりますがそれぞれに特別な意味があるので、皆様も調べてみてはいかがでしょうか?
きっと芸舞妓さんの団扇の古くからの掟がわかるはずです!

DSC01563

やよいで飾っている団扇はやよいのお客様である、芸舞妓さんやお茶屋さんより頂いたものです。
本店にいらした際は是非、葦簀や団扇をご覧になって京の夏の涼を感じて頂ければと思います。

コメントをどうぞ